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無精子症で、一時は諦めていましたがわが子を持ちたいと思い始めています
私自身、男性不妊と病院で告知を受けていて、今後は諦めるしかないのかと思いつつも、諦めきれません。
20歳代前半に、性染色体異常に伴う無精子症になると説明を受けて、子どもを持てなくてもいいと思っていましたが、今、年を重ねたら、わが子を持ちたいと思い始めています。
でも、自分の生殖器の衰退が著しく、精子を作る器官である睾丸の衰退も顕著の状況下
にあります。今、病院で男性ホルモン補充をしていますが、テストステロン治療を続けても続けなくても睾丸が衰退してしまうとは説明を受けつつも、今後の見通しが心配になっています。今の病院でも、なかなか言いづらく、こちらに相談してみました。
まずテストステロンの補充療法を中止して、再度検査をした上で、できるだけ若いうちにMD-TESEを経験数の多い施設で受けることをお薦めいたします。
染色体異常がどのような異常であるのか現在何歳なのか、記載されていないため不明ですが。治療経過からクラインフェルター症候群と診断されていると推察いたしてお返事いたします。

まず、現在受けているテストステロンの補充療法に関してお答えいたします。精巣(睾丸)はテストステロンを造る役目と精子を造る役目を果たしている臓器です。注射でテストステロンを与えられると精巣は働かなくても良いので自分ではテストステロンを造らなくなってしまいます。それどころか、精子を造るのも止めてしまうのです。また、働かなくて良い精巣はどん小さくなります。

子どもを望むのであれば、まずテストステロンの補充療法を中止して、現在の精巣を中心としたホルモンの調節機構を再度検査する必要があります。

その上で、できるだけ若いうちに顕微鏡下精巣精子採取術(MD-TESE: microdissection testicular sperm extraction)を経験数の多い施設で受けることをお薦めいたします。クラインフェルターの方の精子形成力は加齢変化を他の人よりも早く受けるからです。

このお返事がお役に立てれば、幸いです。
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