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元気な精子をクリニックに持ち込む良い方法があればアドバイスいただけますでしょうか?
40代男性です。
いつも男性不妊バイブルを参考にさせていただいています。
体外受精を2回行いましたが上手くいきませんでした。妻は39歳です。
次回は顕微授精を行うことになりましたが、私の精液検査の結果があまりよくないので自信がなく、とても不安な気持ちです。
不妊治療を行う日に早朝の自宅で精液を採って、原始的なカップに入れてクリニックまで2時間以上かけて持ち込んでいます。気温とか酸化の
影響で精子が弱っているのでは?と考えています。 2月に顕微授精を行う予定ですが、その頃は降雪もあり、最低気温になるのでそれも心
配しています。元気な精子をクリニックに持ち込む良い方法があればアドバイスいただけますでしょうか?
トランスポーターS を使用することをお勧めします。
ご相談のメールをお送りいただき有難うございます。

精液は検査を行うにしても治療に用いるにしても、採取してから出来るだけ短時間のうちに、検査を行い治療用に調整することが、妊娠に至るために重要です。
持ち込みの精液と院内で採取した精液では、その精液検査の結果で運動率が極端に違うことを、たびたび経験します。
例えば、持ち込みの精液だと精子運動率が5%なのに、院内で採精した場合には運動率が80%ということもあります。運動率5%だと人工授精が予定さえれていても、キャンセルされる事態に陥ります。

実際は、精液検査や人工授精や体外受精は午前中に行われることが多いことと、ご主人はお仕事のために忙しく、自宅で採精して奥様がクリニックまで輸送される場合が圧倒的に多いのが現状です。
現在用いられている、精液採取用の容器は容積が100-200mlのものが大半を占めており、精液量(2-5ml)に対して大きすぎるのが現状です。
精液を採取してから輸送中に、どんどん容器内で精液中からの水分の蒸発が起こりますし、空気と接触していることで、精液のpHはどんどんアルカリ性に偏ってゆき、精子が活動しにくい環境になっています。
また、ご質問にありますように、初秋から春にかけては外気温の影響を受けて、採取した精液がどんどん冷やされて、精子に障害を与えて運動性が極端に低下したり死滅してしまったりする事態が頻回に起こっています。

持ち込んだ精液中の精子がダ受けるメージを最小限にするためには、運搬容器の選定が大事です。
この解決のために、トランスポーターS を使用することをお勧めします。
また、我々の施設で改良したトランスポーターSIIを用いれば、10℃の環境下でも3時間は内部温度を20℃に保つことができるようになっています。
1回に2000円程度の出費になりますが、人工授精や体外受精に持ちる精子の質の低下を防いで、治療がキャンセルされる可能性を低くし早期の妊娠につながるとしたら、決して無駄な出費ではないと考えられます。

是非、2月の顕微授精に備えて、現在治療中のクリニックの担当の先生にトランスポーターSを使ってもらえるようにしていただく事がよいと思います。
この回答が、お役に立てれば幸いです。
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