MD-TESE(顕微鏡下精巣精子採取法)を受ける際の流れを説明。
手術後の経過をしっかりと確かめるためにも、2泊程度の入院が理想的。
MD-TESE手術の流れ
- 入院
- 入院や手術の説明、術前の検査などを受ける。
- 支度
- 病室で専用の手術着に着替えて、手術の準備をする。
- 手術室へ移動
- 看護師とともに手術室に行く。ここで手術室のスタッフに引き継ぐ。
- MD-TESE手術(30分〜2時間)
- 麻酔科医が全身麻酔をかける。
泌尿器科医が手術用顕微鏡を使って、精巣の中にある精細管の一部を採取する。
それを受け取った胚培養士が観察用顕微鏡を使い、手術室の中でその中から精子を探し出す。
これを繰り返し、精子が見つかれば凍結する。
(妻の採卵日に合わせて手術をする場合は、新鮮精巣精子を用いて、すぐに顕微授精を行う)
- 安静
- 病室でゆっくり休む。
- 診察
- 術後の経過を確認する。
- 退院
- 入院をおすすめします
- 僕は入院での手術をおすすめしている。日帰りにプラスして2日。長い人生のたった2日間、自分のための時間をつくってほしい。これから子どもを望むなら、パートナーと生まれてくる子どものための時間でもあるのだから。
ここが知りたい! MD-TESE
- 痛みはどれくらい? いつまで続く?
- 手術は全身麻酔で行うので、術中の痛みはありません。麻酔が切れてから、2時間ほどは痛むことがあります。
入院中なので十分に術後の痛み止めをすることが出来ます。人によりますが、数日程度で違和感は解消します。 - 手術は日帰りでもできるの?
- 日帰りで行う施設もありますが、獨協医科大学越谷病院のMD-TESEは入院が基本です。命にかかわるような手術ではないとはいえ、全身麻酔による手術なので、万一のケースを考えて、また翌日まで経過をしっかりと観察できるので、入院をおすすめしています。
それと、当院では、他の病院で局所麻酔での日帰りのTESEを既に受けた患者様さんを多数治療していますが、これらの患者さんが異口同音に『全身麻酔の方が術中はもとより手術後も痛みが少ない』と言っています。
これらの実際の経験者の意見を取り入れて基本的に全身麻酔を選択しているのです。 - 精子が見つからないこともあるの?
- 非閉塞性無精子症の人では、精子がつくられているかどうか、手術前にははっきりしないケースが多いのです。MD-TESEを行い、精子が見つかる可能性は50%ほどです。
遺伝子検査をすることにより、精子の絶対に取れない人を見分けることは可能です。すなわち、余計な手術をしないでも済むのです。出来るだけこの検査をお薦めします。 - 陰毛は剃るの?
- その必要はありません。