■医療総合ジャーナル「Medical Tribune」

医療総合ジャーナル「Medical Tribune」Vol.47, No.41(2914年10月9日)に、第52回日本癌治療学会学術集会(8月28〜30日)のシンポジウム「若年がん治療の特徴と妊孕性における問題点」にて、「泌尿器科悪性腫瘍における妊孕性温存」との演題で、小児泌尿器がん患者の妊孕性温存のための研究の発表についての記事が掲載されました。

小児泌尿器がん患者の妊孕性温存のための研究は以下の通りです。

獨協医科大学越谷病院泌尿器科では、射精できない、または精子形成開始前の年少者の場合は精子を保存できないため、未成熟精巣組織を凍結保存し、それを解凍して体外培養で精子を作製する研究を進めています。

生後5〜6日のオスマウスの精巣を摘除し、白膜除去して精巣組織を1〜2mm角に細切。その組織片を培養液に浸したアガロースゲル上に置き、34℃の二酸化炭素インキュベーターで培養することにより、精子形成を試み、28日目の精巣組織から成熟精子が得られ、これを回収。メスマウスから採卵した卵子の中にICSIを用いて授精し、細胞分裂が認められた受精卵を別のレシピエントマウスが仔を出生しました。

この技術を用いると、完全に体外培養で精子をつくることが可能で、ヒトに応用できれば小児がん経験者に有用な方法となります。

第52回日本癌治療学会学術集会
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