昨日(2月22日)
「第24回日本性機能学会 東部総会」を無事終了いたしました。
http://maleinfertility.jp/blog/?p=1187
『女目線の性機能、男目線の性機能』をテーマに
セミナー、シンポジウムを行い、一般演題(20題)の講演をいただきました。
どうもありがとうございました。 (事務局より)
いよいよ、今週末(2月22日)に、第24回日本性機能学会 東部総会を開催します。
テーマは『女目線の性機能、男目線の性機能』としました。
場所はJR品川駅から徒歩3分のTKP品川カンファレンスセンターANNEXです。
→会場「TKP品川カンファレンスANNEX」へのアクセス
午前11時55分に 会長挨拶、そして、正午(12時)のランチョンセミナーから開始です。
◎ランチョンセミナー 「動物の性行動」
寺田 節 先生(獨協医科大学実験動物センター)
座長 齋藤 徹 先生(日本獣医生命科学大学)
◎シンポジウム「女性性機能障害」
座長 永尾 光一 先生(東邦大学大森病院泌尿器科・リプロダクションセンター)
中島 久美子さん(読売新聞東京本社 医療部記者)
・「女性ががんになったとき-セクシュアリティーを見る「女目線」と「男目線」
高橋 都 先生(国立ガンセンター癌対策情報センター)
・「女性性機能とセックスカウンセリング」
宋 美玄 先生(川崎医科大学)
◎イブニングセミナー 「性欲を科学する」
座長 佐々木 春明 先生(昭和大学藤が丘病院 泌尿器科)
白井 雅人 先生(順天堂大学医学部附属浦安病院 泌尿器科)
・「私のセックス・セラピー」
阿部 輝夫 先生(あべメンタルクリニック)
・「女性の性欲について考える」
丹羽 咲江 先生(咲江レディスクリニック)
この他に、一般演題を20題お寄せ頂いております。会の終了後には、近くのBar segredoで意見交換会と総会賞授与式を行ないます。性機能障害に関する新知見満載です。
先週末に大変だった雪もなさそうですので、非会員の方も・メディア関係の方も、是非ご参加下さい。
会費は6,000円(学生1,000円)です。なお、事前受付は不要です。
この2つの質問は繰り返し尋ねられる質問です。
日本の中にはこれに答える大規模調査はありません。しかし、少し古いですが2つの質問に見事に応えた最も有名な論文を紹介しましょう。これまでに、多くの論分や著書で引用されています。Dunson DB, Colombo B, Baird D. Changes with age in the level and duration of fertility in the menstrual cycle. Hum Reprod. 27: 1399-1403, 2002
このイタリア人のグループは、782の自然妊娠を目指しているカップルの、月経周期とsexを行なった日(月経周期の何日目にsexしたか)それと妊娠の有無を合計5860周期にわたって調査しています。排卵日は基礎体温から推測しています。排卵日を0日として、その前4日にsexすれば-4日という事になります。
この結果、月経周期からみたsexの日と妊娠成立には、大変興味深い3つの結果が判りました。
図1)図12014.2.16
①排卵日から6日前から排卵後2日までの9日間にしか妊娠のチャンスは無いこと(妊娠率5%以上を妊娠のチャンスとした場合)。
②排卵日よりも2日前(-2日)が最も妊娠率が高かったこと。つまり、基礎体温から見た場合は、排卵日の2日前のsexはお薦めです。
③妻の年齢が上がるほど、月経周期のそれぞれの日における妊娠率は階段状に下がること。
ここで、考えなければならないのは、夫の年齢です。
夫の年齢によって、月経周期での妊娠可能な期間は影響を受けるのかと言う疑問があります。これを解析した結果は妻の年齢が19-26歳、27-29歳,30-34歳では夫の年齢に関係なく-6日から±2日までが妊娠のチャンスがあるのですが、35-39歳の場合は夫の年齢は妻の年齢よりも5歳高くなると、妊娠のチャンスは-5日から+2日までの8日間と1日短くなる事が判りました。女性生殖器内での精子の寿命が短くなることが原因と推測しています。
さて、さらに解析を進めていきます。
妻の年齢と夫の年齢と月経周期での妊娠の確率を検討しました。妻の年齢別に、夫が同い年の場合と5歳年上の場合に分けて、どの日にsexしたら妊娠の確率がどのくらいあるかを調べました。
>(図2a, b, c)図2 2014.2.16
これを見ると、妻の年齢が19歳から34歳までは夫の年齢が同い年でも5歳年上でも妊娠率に差がありませんが、妻の年齢が35-39歳の場合は夫が同い年の場合と比較して5歳年上の場合は妊娠率がグンと低くなるのです。
ここでも、精子力の35歳問題がすでに明らかになっていたのです。
この論文では残念なことに、年下の夫(姉さん女房)の場合は妊娠率がどう変化するかについては報告されていません。今後、さらに研究が進む分野だと思います。