朝日新聞に取材記事が掲載されました

■朝日新聞・朝刊

朝日新聞10月28日(金)の朝刊の総合面に取材記事が掲載されました。

このブログでも取り上げました、Human Reproductionに掲載されたベルギーのグループによる「顕微授精で生まれた男性の精子の濃度や運動している精子の数が自然妊娠で生まれた男性の精子より低かった」という研究報告についての記事です。

この研究結果から、「顕微授精で生まれた男性は、子をもつのに、父親と同様、不妊治療が必要になるのかは評価できない」こと、また、父親の精子の異常と子の異常の程度は必ずしも一致しなかったことから、「不妊の要因が遺伝するかは、より詳細な遺伝子分析が必要」とのコメントが紹介されています。


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*事務局

朝日新聞に取材記事が掲載されました

■朝日新聞・10月21日朝刊「がんと暮らし」

朝日新聞の10月21日の朝刊のシリーズ「がんと暮らし」欄に取材記事が掲載されました。

以下、リードから
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がんにかかり、抗がん剤や放射線を使う治療が始まると、子どもをつくる機能に影響が出ることがある。「将来、子どもが欲しい」と願う患者の希望に沿い、生殖機能を保つために、がんの診療科と産婦人科などとの連携が進みつつある。事前に十分な情報を得て、患者自身や家族がよく考えて納得してから治療を始めることが大切だ。
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*事務局

顕微授精(ICSI)により誕生した男性の精液検査所見は?

精子濃度が低いとか、精子運動率が低いとか、総精子数が少ないとか、精子の形が悪いとかの男性因子での不妊症に対して、顕微授精(ICSI)が行われるようになって、20年あまりが過ぎました。

そこで、当然の疑問に、
『男性因子のためICSIをすることにより誕生した子どもたちが成人になったときに、自分の父親と同じように不妊症に悩み、やはり顕微授精(ICSI)が必要になるのか?』
という事があります。

これに、対するヒントになる論文が出ました。
世界に先駆けて、顕微授精(ICSI)での妊娠例を報告したTournayeらのベルギーからの論文です。
Semen quality of young adult ICSI offspring: the first results. Human Reproduction,pp.1–10, 2016 doi:10.1093/humrep/dew245

2013年から2016年にかけて、以前に顕微授精(ICSI)によって誕生した男性54人(18歳から22歳)と自然妊娠により誕生した男性57人(18歳から22歳)を対象として、精液検査の結果・身長体重や外性器の状態・日常生活習慣(喫煙や飲酒など)を2群で比較しました。

この結果、顕微授精(ICSI)で誕生した男性の方が、精子濃度・総精子数・総運動精子数が有意に低い事が判りました。(図1)

fig1


精子運動率、精液量、正常形態精子濃度には差がありませんでした。

また別の解析では、顕微授精(ICSI)によって誕生した男性は、自然妊娠により誕生した男性に比して、WHOの精液検査の基準値(精子濃度1500万/ml・総精子数3900万)を下回る危険性が検討されました。これによれば、精子濃度大幅に増大することが報告されました。すなわち、精子濃度1500万/mlを下回る可能性は2.7倍に、総精子数3900万を下回る可能性は4.3倍になるとのことです。

この論文で大変重要なことは、この結果から、男性因子により顕微授精で誕生した男性は、父親と同じく精子形成障害を引き継いでいるのだ。さらに、顕微授精で誕生した男性の場合は、自分の父親がそうであったように、子どもを得るには顕微授精(ICIS)が必要になるのだ。と結論するには飛躍があります。

精子形成障害のある父親から顕微授精(ICSI)で誕生した男性の妊孕能に関して、充分な根拠と持った結論を導き出すためには、次のような検討が必要になります。

① 男性因子以外により顕微授精(ICSI)が行われて誕生した男性の精液検査結果の解析。
② 父親の精液検査結果と顕微授精(ICSI)により誕生した男性の精液検査結果に相関関係がある事(今回の検討では証明されなかった)の証明。
③ 今後、精子形成を左右するgenetic, epigenetic factorの解析。

実際に、顕微授精(ICSI)で誕生した男性の妊孕性に関する大規模データが出るには、これらの男性が挙児を試みてしばらく観察する必要があるため、あと5-10年は待たなければならないでしょう。

今後同様な研究成果が続々と発表されることと思われますので、目が離せない状況です。

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