不妊治療には健康保険が適応されていないものが多数あるために、若い患者カップルの経済的負担が増加しています。そこで、少子化対策の一環として、各地方自治体単位で助成金を支給する制度があります。その制度を少し見直してみましょう。
対象は
「治療開始時に法律上の婚姻関係にある夫婦で、特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと医師に診断された方で、次のいずれにも該当する方」
となっています。
さらに、以下のような条件が付帯しています。
• 夫婦ともに、または夫婦のいずれか一方が○○都道府県に住所がある方
• ○○都道府県が指定した医療機関において特定不妊治療を受けた方
(指定医療機関は、都道府県知事、政令指定都市及び中核市の市長が指定した医療機関で、県外の医療機関でも、その都道府県知事等が指定していれば助成の対象となります。)
• 夫及び妻の前年(1月から5月までの申請にあっては前々年)の所得の合計額が730万円未満であること。(所得の合計及び計算方法は児童手当法施行令を準用します。)
助成額は東京都を例に取れば、(画像をクリックして拡大・Table 1)の通りです。(都道府県や市単位で少し額が違う場合もあります)
2014.5.25 Table 1
さらに、この制度は平成28年から変更が決まっています。(画像をクリックして拡大・Table 2)
2014.5.25 Table 2
これに対して、現在男性不妊の治療に対して助成を行っているないしは行なう事を決定しているのは、三重県と福井県と浦安市と大分市しかありません。
最初に行動を起こした三重県は、大阪でリプロダクションクリニック大阪を運営している、私の後輩の石川智基医師の熱意が知事を動かしたと聞いています。
人口の集中している、関東圏・関西圏で同じように、男性不妊に対する助成制度が広がっていくことを切に望んでいますし、現在自治体に協力の要請をしています。
助成額の多寡ではなく、男性不妊そのものに目を向けてもらうための、最も効果的な手段であると考えます。
皆様は、いかがお考えでしょうか?