がん患者さんの生殖について-2

2016.03.02 | 新知識

AYA世代の男性がん患者さんの精子保存はどうなっているのでしょうか?

AYAとは、adolescent and young adultsの略で、思春期から20歳以下の若年の世代を代表するネーミングです。
以前のブログで年齢別のがん患者数を示しましたが、この中でAYA世代の男性がん患者さんの生殖について、考えてみましょう。

http://maleinfertility.jp/blog/?p=1711

男性では、血液がん・中枢神経系のがんが多いことが示されていましたが、これらの患者さんは、30年前であれば命を救うことが困難な事が多かったのですが、最近ではかなり高い確率(おしなべて言えば80%以上)で治癒することが出来る様になりました。
具体的には、Fig. 1に示すように、年代を経るに従って、治癒する割合が増加してきているのです。

Fig. 1 2016.3.2

すると当然、これらの世代が子供を欲しいと考えた時に、生殖の問題がクローズアップされてきます。
男性の場合であれば、治療開始前の精子保存が第一選択になります。
この事に関する、大規模研究については、11歳から20歳の男性がん患者さんに関する、フランスのデータを次回お知らせいたします。
対象となったのは4345例のAYA世代の男性がん患者さんです。その、がんの種類を示しておきましょう(Fig. 2)。
Fig. 2 2016.3.2

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