7月12日に開催された、第22回日本小児泌尿器科学会のシンポジウムで、膀胱外反症・総排泄腔外反症の妊孕性について、話しました。

何よりの収穫は、患者さんとして登壇した、フランス人Kevin Tembouretさんのお話しが素晴らしかったことです。

現在、早稲田大学に留学中で、講演は日本語で行なわれました。

子どもの頃からの、膀胱外反症に対してのご自身の治療経験を、その時々に感じたことを、一生懸命に話されました。

子どもの頃には、1時間毎に排尿しなければならなかったり、よく尿が漏れたり、尿路感染を繰り返して、学校生活が旨く行かなかったが、排尿管理がMitrofanoff continent urinary diversionという、尿禁制の保たれた方法になってからは、排尿に関する心配が無くなり、積極的な生き方が出来るようになったことを、手術を行なった医師に対する感謝の気持ちを込めて、訥々と日本語で話されました。

前々から思っていたことですが、子どもの頃からつらい目に遭ってきた患者さんで、これを乗り越えたひとは、他者に対する感謝の気持ちや配慮が行き届いたひとが多いです。

小児泌尿器科医の先生方のご苦労が実を結んだ好例だと思いました。

大人を主に扱っている泌尿器科医・男性不妊専門医として、キャリーオーバー症例を引き継ぐ責任の重さを改めて感じました。

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