「朝日新聞」にコメントが掲載されました

■「朝日新聞」2013年10月16日(水)、17日(木)

生活面「患者を生きる」にコメントが掲載されました。
2319「腎と泌尿器」男性不妊(1)原因 自分かもしれない
2320「腎と泌尿器」男性不妊(2)最適な手術 妻と相談

以下で記事を読むことができます。
「腎と泌尿器」男性不妊(1)
「腎と泌尿器」男性不妊(2) 

朝日新聞_20131017

朝日新聞_2013:10:16朝日新聞_2013:10:17

 

 

「zakzak」に掲載されました

情報サイト「zakzak」に掲載されました。

【日本の精子力は危機】(上)自転車通勤はEDのリスク高まる!?
2013.08.28

* * *

勃起力だけ気にしていてはいけない、精子力こそ男にとって大切なもの―というわけで、
精子力のために男が心がけるべきポイントを、岡田先生から特別に伝授してもらった。
まさに、ホンマでっか? が目白押しの下半身問題に迫る。(記事より)

* * *

zakuzaku_g画面_0130828(zakzak画面)

本日発売の「日刊ゲンダイ」に取材記事が掲載されました

■「日刊ゲンダイ」8月28日発売号

本日発売の「日刊ゲンダイ」に取材記事「「膣内射精障害」が多い職業は…?」が掲載されました。

日刊ゲンダイ_130828_02

 

 

 
事務局

 

「読売新聞 15日付け 夕刊 からだ面」に紹介されました.

8月15日発売の読売新聞 夕刊 からだ面に「男を維持する『精子力』」が紹介されました。
ますます、「精子力」という言葉は、認知されつつあります。yomiuri 001

m3.comにMumps精巣炎と不妊に関して掲載されました

8月8日付けのm3.comの臨床ダイジェストに、アンドロロジー学会で発表した、ムンプス精巣炎と男性不妊に関する内容が掲載されています。

「日刊ゲンダイ」に掲載

こんにちは。
事務局からのお知らせです。

本日(8/13)発売の「日刊ゲンダイ」に「精子力」の記事が掲載されています。

『男を維持する「精子力」』好評発売中!

yokohama_2013:06:29_02

写真は、日本抗加齢医学会(6月、横浜)の書店販売の様子。

熟年セックスの話題

最近、男性誌(一部女性誌を含む)で毎週のように特集が組まれている、熟年者の「性」の問題をご存じですか?

『60歳からのセックス』『まだまだセックス』『死ぬまでセックス』という文字が、雑誌の表紙に躍っています。

しかし、50歳以上の人は、本当はどう感じているのでしょうか?

配偶者の有無・自身やパートナーの健康状態・家庭内外の問題の有無が、セックスにとっての大きな要因である事は、容易に想像できますが、皆さんの場合はいかがですか?

これに対して、週刊朝日2013年7月26日号では、1000人対象に緊急アンケート実施 本当に必要なもの 女性の版数が「恋する男性とは、したくない」というタイトルで、特集記事を掲載しました。

また、日経BP社は相模ゴムとの共同調査で、現在のセックスパートナーの有無や1ヶ月の回数などを、14100人を対象にした調査結果を発表した。

2つの調査ともに、Web調査で行なわれています。これには、Web調査に協力できる人しか対象に含まれないと言う、調査対象に大きな偏り(セレクションバイアス)が存在するので、解釈するときに注意が必要です。

 

まず、週刊朝日の調査結果(画像をクリックして拡大)
table-1-2013.7.18table 1 2013.7.18
46.8%の女性が、現在「恋」をしている相手(夫を含む)とのセックスを望んでいません。これに対して、男性の場合は、45.6%の男性が、現在「恋」をしている相手(妻を含む)とのセックスを望んでいます。

このことは、2002年に出版された、『カラダと気持ち ミドルシニア版 40-70代セクシュアリティー10000人調査』日本性科学会・セクシュアリティー研究会 編著 三五館 での、調査結果とほぼ同じ結果といえます。

さらに、50歳からの恋愛にもっとも大切なものはなんですか?との問いに対して、男女とも「思いやり」「互いの健康」を挙げています。

この結果も、日本性科学会の調査と同様です(Fig.1)。
Fig.-1-2013.7.1803Fig. 1 2013.7.18

 

 

 

 

 

 

次に、日経BP社の調査を見てみましょう。

月間のセックスの回数は、50歳代で男性1.6回女性1.2回、60歳代で男性1.2回女性0.8回と報告しています(画像をクリックして拡大)。
Fig.-2-2013.7.18Fig. 2 2013.7.18
想像通り、加齢とともにセックスの回数は減少することがわかります。

 

 

 

この結果も、日本性科学会の調査結果と同様です(画像をクリックして拡大)
Fig.-3-2013.7.18Fig. 3 2013.7.18
一つ興味深いことは、両調査ともに男性の回答した回数が女性の回数よりも、若干高い数字である事です。男の見栄でしょうか?

さらに、既婚者のセックス回数が1.7回であるのに対して、未婚者かつ交際相手ありの人が4.1回、未婚者かつ交際相手なしかつセックス相手ありの人が2.9回と報告しています。

この結果、結婚している方がセックスの回数が少ないので、『結婚はセックスの墓場』というキャプションを付けて伝えています。

皆様、どのように感じられたでしょうか?

詳細は、以下のサイトをご覧ください。
「ニッポンのセックス」
「日経ウーマンオンライン(結婚はセックスの墓場?)」

今回紹介した、3つの調査に共通しているのは、熟年(シニア)世代のセックスは、行為そのものという即物的なものではなく、もっとプラトニックのものであると言うことです。

冒頭の週刊誌の扇動記事は、現実とは少し乖離したものと言えそうです。

肥満と男性不妊

不妊外来患者さんからよく尋ねられる質問に「肥満は不妊と関係ありますか?」という問いがあります。
漠然と、現在の健康志向やメタボリックシンドロームが様々の成人病の原因になっている事から、「はい、関係あると思います」と回答していますが、根拠はどうなっているのでしょうか?
まず、肥満の診断基準です。太っていれば肥満なのですが、これでは国際比較や診断・治療介入ができません。そこで、日本肥満学会が発表したBMI(Body Mass Index)を用いた、肥満の診断基準(2011年に改訂された)を見てみましょう。(画像をクリックして拡大)

Table-1Table 1
BMI 25以上は肥満になるわけです。日本では、肥満を4段階に分けて評価していますが、諸外国では肥満はBMI 25-29.2: overweightとBMI 30以上: Obeseの2段階分類が一般的です。

 

 

 

 

 

 

さて、肥満の人の割合は、どんなものでしょうか? 米国のNational Center for Health Statisticsのデータでは、男性 20-39歳で33.2%と報告されています。(画像をクリックして拡大)

Fig-1Fig 1
日本では、厚生労働省の「日本人の肥満」ホームページで紹介されているデータを参考にすると、20-29歳で21.3% 、30-39歳で28.6%と報告されています。

 

 

 

 

日本人は、アメリカ人に比較して肥満の割合は低いようです。(画像をクリックして拡大) FIg.2

Fig.2
もう一つ、注目すべき点は、日本では同年代の女性の肥満割合は、20年前・10年前と比べて減少しているのに、男性ではそれぞれの年齢階層で12.8%から16.6%そして21.3%へ、21.6%から24.2%そして28.6%へ増加しています。 健康意識の性差の表れと考えられます。

 

 

 

 

 

それでは、肥満が男性不妊に与える影響は、いかがなものでしょうか?

昨年のSpematogenesis 2: 253-263, 2012にPalmer NO, et al. Impact of obesity on male infertility, sperm function and molecular composition.というレビュー論文が掲載されました。 肥満の男性はそのパートナーが肥満で無い場合でも、生産率(live birth rate)が低く、生殖補助技術(ART)を行なって妊娠・出産を試みた場合でも、妊娠成立しない割合が増加することが、報告されました。(画像をクリックして拡大)

Fig.3Fig.3
肥満の精液検査所見に与える影響はどうでしょうか? 23の報告を集めたメタアナリシスでは、精子濃度は15論文で、減少8論文で不変でした。精子運動率は7論文で減少、12論文で不変、4論文で評価無しでした。正常形態精子率は7論文で減少し9論文で不変、7論文で評価無しでした。これからすると、精液所見上は、精子濃度は減少するとの報告が多いが、運動率と形態に関しては、一定の結果でないということです。

この論文では、精子DNAのメチル化と肥満の関連は、他の組織では明らかになっているが、精子でのメチル化の変化に関しては、未だ定かで無いとしています。また、精子形成過程で必要な、ヒストンのアセチル化が早期に起こり、これにより精子DNAが損傷されると述べています。

このDNA損傷に関しては、Dupont C, et al. Obesity leads to higher risk of spem DNA damage in infertile patients. Asian J Androl. 2013. Jun 24. Epubで、BMIの高い男性不妊患者さんの、精子DNAの断片化率は肥満で無い男性の2.5倍であったと報告しています。

やはり、肥満は精子DNAに損傷を与えているようです。この、DNAが断片化した精子は、顕微授精の際に流産率が上昇するため問題になります。

こうしてみると、肥満は男性不妊にとって、リスクファクターになるという認識で良いと考えられます。また、生まれてきた我が子を、養育するためには父親として健康でいる必要があります。 子の福祉のためにも、肥満は解消するようにしたいものです。

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